1926年3月16日
「ヴィタ・サックヴィル=ウェスへの手紙」
にて
表現されたヴァージニア・ウルフの言葉
__前略__
リズムが何かってこと、そしてリズムは言葉よりはるかに深いところにある。
ある光景、ある感情が心のなかにこの波をつくりだすの。それにふさわしい文章を作るよりはるか以前に。
そして書くことで (というのが目下のところの信念なんだけれど) 人はこれをもう一度つかまえて、
動き出させて (この動きは一見したところ言葉とは何の関係もなく見えるの)、それからようやく
この波が心のなかで打ち寄せては砕け、逆巻くにつれて、それに合った文章を作っていくの。
でも、たぶん、また来年は違うことを考えているんでしょうけど。
この書籍には以下のように記されています
ウルフの言っているこのリズムとは何なのだろうか。散文は、はっきりした規則性を持つ拍子や反復的な韻律を徹底的に避けるものだ。
それなのに、散文に表面からは見えないほどのアクセントをずらした強勢のパターンがあるのだろうか。
それとも、ウルフの言うリズムは文のなかに統語法や、文同士のつながりや、段落の作り方のなかにあるだろうか。
__中略__
巧み書かれた小説には、非常にたくさんのリズムが盛り込まれている。
それが全部一緒になって、
リズム同士の対立法や強勢をずらしたシンコペーションや結合によって、
その小説固有のリズムを作り出すのであり、それは他のどの小説のリズムとも違う。
ちょうど人間の体のさまざまなリズムが相互にからみあい、その体、その人間独特のリズムを作りあげるのと同じである
典拠「ファンタジーと言葉」岩波書店
著:アーシュラ・K.ル=グウィン 訳:青木由紀子
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